あらすじ
南宋の中期、義兄弟の契りを交わした二人の義士、郭嘯天と楊鉄心は、共に臨月の妻を持ち、杭州の牛家村で暮らしていた。ある日、全真教の道士・丘処機と出会い、意気投合し、生まれてくる子の名付けを託した。しかしその後、彼らが暮らす村は官兵に襲われ、両家は離散してしまう。自分を追って来た敵の仕業と悟った丘処機は連れ去られた2人の妻の行方を追う旅に出る。その道中、丘処機は、江南七怪の異名を持つ7人の俠客集団と出会い、奇妙な勝負を持ちかける。郭・楊両夫人がいずれも身籠っているので、彼女たちを捜し出した後、産まれるてくる子たちをそれぞれ弟子にし、武芸を授け、2人が18年歳になったら試合をさせて、勝敗を決しようというものだった。
その頃、郭夫人の李萍はモンゴルに逃れて息子郭靖を生み、チンギス・ハーンの庇護の下に置かれていた。一方、楊夫人の包惜弱は、金の趙王完顔洪烈の王妃に迎え入れられ、生まれた息子楊康も、金の王子として育てられていた。数年後、江南七怪は、ようやくモンゴルで郭靖を捜し出し弟子とした。一方の丘処機も金の王子となった楊康を捜し出し弟子とする。最初こそ物覚えの悪さが悪江南七怪を悩ませていた郭靖ではあるが、次第に勢力を拡大するチンギス・ハーンの下、草原の勇者へと成長する。
18歳となった春、郭靖は約束の試合を果たすべく、中原へ向かい旅立つ。その道中、活発で賢い黄蓉とふとしたことから出会い、一緒に旅を続けるうちに次第に愛が芽生えていく。その後も中原にて多種多彩な人物と出会い、波乱万丈な人生を送りながら成長していくこととなる。