あらすじ
時は13世紀、金に代わってモンゴル帝国が南宋を脅かしつつある時代。売国奴として横死した楊康(ようこう)の息子・楊過(ようか)は、浮浪児に落ちぶれていた。偶然に今や名高い俠客となっていた父の義兄弟・郭靖(かくせい)とその妻黄蓉(こうよう)に出会い、二人が暮らす桃花島へと引き取られる。そこでは実父のこともあり黄蓉に嫌われたため、武術は教えてもらうことができず、また、郭靖の長女・郭芙(かくふ)や弟子達にいじめられて過ごしていた。しかし、ある日、欧陽鋒(おうようほう)の養子となったことで身につけていた秘技の蝦蟇功(がまこう)を使ってしまい、全真教で修行させるという名目で、桃花島を追い出されることになる。
名門全真教のある終南山へ預けられた楊過であったが、そこで待ち受けていたのはまたしても師や兄弟弟子たちによる陰湿ないじめだった。
我慢できずに全真教を飛び出した楊過は、全真教と浅からぬ因縁を持つ古墓派に身を投じる。世に隠れた古墓派の美しき宗主小龍女は、まだ20歳にもならぬ少女であり、楊過はその弟子となる。
小龍女を唯一の家族として慕っていた楊過だったが、それは次第に愛へと変わってゆくのだった。