侠骨丹心

侠骨丹心(きょうこつたんしん)は、武侠小説の開祖 梁羽生の作品。梁羽生は生涯35作の武侠小説を遺したが、その中でも代表作としてあげられるのが、明・清代を舞台とした「天山系列」と呼ばれる一連の作品群。本作は、その天山系列に属する一遍。

あらすじ

明朝末期、奸臣・魏忠賢(ぎ ちゅうてん)は政治の実権を掌握しただけでは飽き足らず、江湖の統一をも目論んで天魔教教主・厲勝男の持つ「百毒真経」を狙った。しかし、義によって立ちはだかった金世遺の活躍により、その野望は潰えたかに見えた。それから20年、魏忠賢は相変わらず権勢をほしいままにし、隙あらば指揮下にある反乱鎮圧部隊を操って北京へ攻め入ろうと企んでいた。

そんな中、辺境の小島から中原を目指すひとりの若者 金逐流(きん ちくりゅう)がいた。未だ魏忠賢を恐れさせる稀代の侠客 金世遺の大切な一人っ子である。

彼は父からいくつかの用事を言いつけられていたが、一番の目的は、かつて厲勝男と金世遺が交わした「20年後の中秋にお互いの子供を会わせよう」という約束を果たすことにあった。

筏を降りた彼は、父の言葉に従い厲勝男の墓参りを済ませようとするが、目指す徂徠山への道が分からない。やむなく通りかかった黒衣の人物に道を尋ねたところ、彼は持っていた錦袋を奪われてしまう。


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